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執筆者の写真マダムYUKO

人生ってこんなもの。

今週末はカナダの感謝祭(サンクスギビング・デイ)。なぜ「カナダの」かと言うと、お隣のUSでは日程が異なるから。冬入りを示すこの祝日は、カナダでは10月ですが、USでは11月。歴史的には「最初の収穫を祝う日」でしたが、現在ではクリスマスやイースターと同じように「家族が集まる日」。みんなで集まって、ターキーとマッシュポテト、パンプキンパイを食べるのです。


カナダの家族はブリティッシュコロンビア州とアルバータ州に点在していて、クリスマスにしろ感謝祭にしろ、どこに集まるかが「争点」となります。なぜ「争点」かと言うと、ホストする家はゲスト(家族ではありますが)を迎え、ビッグ・ディナーを準備する責任を負うことになるから。誰がやる?うち?お願いできる?みたいな雰囲気がいつも漂います。今年は義弟家族が引き受けてくれたので、カルガリーに行くことに。


ただそこで、ちょっと考えてしまうのです。仕事や学校が休みなのは金曜から月曜日までの4日間。カルガリーに行けるのは3泊4日。ただし、隣の州といっても近いわけではなく、片道8時間のドライブ。4日の旅程だと、1日目→8時間の移動、中2日、4日目→8時間の移動、となります。短い期間に16時間もドライブしたいか?というとちょっと躊躇。東京から大阪まで3泊でドライブにいくようなものなのです。


夫と娘たちを送り出し、ひとりで猫たちと家にいるという選択肢はありました。16時間のドライブに耐えるか、4日間軟禁でひとりきりで過ごすか。カナダ式の究極の選択。しばらく悩みました。長時間のドライブ+夫の家族と過ごすのも疲れるけれど、まる4日間この広い家でひとりというのも気分が落っこちそうだわ... 。数日考えた結果、今回は「行く」ことにしました。これもカナダ。仕方ないわねと。


出発は金曜日。ところが。前日の木曜日、学校から帰ってきた次女ケローラは鼻をひっきりなしにかみながら「ママ。風邪ひいた」。「友だちもひいてた。でもコロナじゃないと思うよ」。え。と思って少々取り乱しながらその晩は寝たのですが、翌朝起きると、カルガリー行きはキャンセルになっていました。あっさり「じゃあ来ないで」と言われたらしい。いとこに会えると楽しみにしていた長女ナオマは大泣き。


コロナな時代、咳やくしゃみひとつで大騒ぎ。熱はなくても「全身の倦怠感」「鼻水」という症状があるだけで、人前に出てはいけない... ということをノロノロと思い出し。さらに、風邪をひいている人は「悪人」「病原体」「バイオ・ウェポン」扱いなことも思い出し。そして、カルガリーに行くか?行かないか?とさんざん悩んだ結果がこうだったことに、悩むことの無意味さを思い出しました。


そしてもちろん、人生には、自分の思い通りに行かない場合があることも。数秘学の数字でいうと11の世界。自分がいくらがんばっても、そうでないところで、大きな力が働いている。今回のような出来事は、そういう、あたりまえだけれど忘れがちな「世の生業」を思い出させてくれます。「ああ、そうだった。人生ってこんなものだったな」と。












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